本ブログでは、生産スケジューラのプラグイン事例を多数紹介いたします。
毎回、実現したい計画ロジックを設定し、生産スケジューラの標準的な計画ロジックとのギャップを示しながら、どのようにプラグインを実装したのかを解説いたします。
なお、生産スケジューラの計画ロジックは、筆者が熟知しております「生産スケジューラAsprova」のものを引用いたします。

プラグインとは・・・
ソフトフェアの機能を拡張するプログラムの事です。
ソフトフェアに用意されている差込口に、個別開発したプログラムを差し込んで機能拡張します。
ソフトウェアのプログラムを直接変更する「カスタマイズ」と比べて、制限を受けずに機能を拡張できます。
生産スケジューラ『Asprova』基本ガイドブック
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スリッティング工程の計画(効果的なスリット幅の組合せを選定する)
スリッティング工程では、原反を幅方向に切り分けます。

切り分ける幅は顧客の注文によって決まります。
そのバリエーションは多岐にわたり、数ミリ単位で異なる幅の注文が入ります。
そこで、全ての幅を需要に応じて一定量在庫にしておきます。
その上で、「1本の原反をどの幅組合せでスリットするか?」が重要になります。
例えば、1,000mm幅の原反をスリットしてできる製品が、200mm幅、300mm幅、400mm幅、500mm幅のバリエーションで在庫を持つとします。
ここで、保持したい在庫に対して不足している製品本数が、以下だったとします。
| 製品の幅【mm】 | 不足数【本】 |
| 200 | 3 |
| 300 | 4 |
| 400 | 1 |
| 500 | 1 |
では、不足分を補うようにスリットしてみましょう。
単純に幅が狭い順に合せると、以下の結果になります。

それぞれ、100㎜幅のあまりができてしまい、破棄するしかありません。
次に、できる限り余りが出ない組合せを考えてみましょう。

最後に余った300m幅は、300m幅の製品として無駄なく使えます。(少々在庫過多になりますが。)
このように、「無駄なく、かつ在庫過多にならない組合せでスリットする」ことが求められ、生産計画立案業務を難しくしております。
標準的な計画ロジックとのギャップ
一般的な生産スケジューラーでは、幅の組合せを考慮した計画は立案できません。
各製品の作業を組合せず、おおよその製造リードタイムで計画するのが限界です。

これでは、製造部門への作業指示には使えません。
プラグイン事例
余り幅が出ない組合せのパターンから在庫のバランスが最も良いパターンを選定し、正味の製造リードタイムで計画するスケジューリングロジックを実装しました。

まとめ
「効率の良いスリット幅の組合せを選定する計画ロジック」のプラグイン事例を紹介しました。
このように計画することで、歩留まりの良い、かつ在庫のバランスもとれたスリットの組合せを導きだすことができます。
場合によっては、人の感覚で計画するよりも良い結果を導きだせることもあります。
また、人力で計画するよりも短時間で計画できるため、計画立案工数の短縮にもつながります。
今回は、少々マニアックな事例を取り上げました。
プラグイン開発の懐の深さが伝われば幸いです。

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